1966年の動物園
自由が丘
自由が丘の宮本三郎記念館にアラーキーの『人・街』Ⅱを見に行ってきた。
アラーキーと言えば森山大道と並んで私の多感な(笑)中学高校時代に最も敬遠していた写真家の一人だったが、近年は写真から溢れ出る『情』に惹かれるようになっていた。
今日見た展示は展示の方法(二段になった上段が高すぎて全く見えない)に難があって印象に残るようなものではなかったが、それでも街撮りでもアラーキーらしさが出ていて良いものだった。
私が注目したのはガラスケースに入っていた見開きB2程度のファイルに張られた写真だ。
一つは1966年に撮られた動物園の『人』の写真。
広角で寄って撮られたと思われる写真群をスライドショーで見せるもの。
動物を見に来た人々を、おそらく見られる側の『動物』の気持ちになって撮られたのか、またはその人々を『動物』としてアラーキーが撮ったのか。
映し出された人々の表情が滑稽で面白い。
もう一つは同じ時期に撮られた地下鉄の車内の『人』の写真だ。
この当時は写真に撮られることがあまり問題にならなかったのであろうか、狭い車内にもかかわらずサラリーマンのアップや向かいに座るご婦人の写真などがありのままに撮られている。
現代ではなかなか難しい街中のスナップであるが、そんな中にもきっちりとアラーキーらしさが垣間見れたのがさすがと思わせた。
by kawamutsukun
| 2012-02-12 00:00
| GXR
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